日本語の“モノ”は“物”、物質的なものはむろん、“もの”精神的な存在も表します。つまりすべてのモノに魂、霊魂が宿ると考えてきました。置賜地方では木にも命があると伐木の後に草木塔を建て木霊を供養したことが知られています。
ところで、大量消費を前提とした近代工業社会における大量生産はその行くつき先に大量の廃棄が控えています。「モノを粗末にするな」「もったいない」との古老の言葉もむなしく響き、折れ針を豆腐に挿す針供養の行事に見られたようなモノへの感謝の気持ちも薄まってきているようです。資源の利活用からリサイクル運動の取り組みもなされていますが十分ではありません。
21世紀の“モノ”つくりを考えるとき、作り手と使い手が見える関係、生産者と消費者の相互交流が見直されることになります。経済方面では「地産地消」や「フェアトレイド」が身近な例となります。今回は置賜の手仕事から現代社会を改めて見つめなおしたいと考えます。 【佐野賢治】
日時: 2016年8月6日 13:00より
場所:山形県米沢市 伝国の杜 大会議室にて
参加料(資料代)500円
13:00~
理事長あいさつ
13:15~14:10
基調講演
佐野賢治(農村文化研究所長・神奈川大学教授)
「“民”の発見―民具・民芸から民俗まで-」
(休憩 5分)
14:15~16:15
報告(約15分)
報告1 水野 哲(米沢焼)
報告2 山岸幸一(草木染)
報告3 高橋信行(笹野一刀堀)
報告4 相良隆馬(相良人形)
報告5 遠藤きよ子(原方刺し子)
報告6 永井伸治郎(米沢箪笥)
パネルディスカッション(約1時間)
(司会進行 佐野賢治)と報告者