農村文化ゼミナールの歩み

平成9(1999)年 8月1日(土)
アクテイ米沢


 第12回 置賜農村文化ゼミナール
       テーマ「おとなへの旅立ち〜」人前の民俗学〜」
                                  主催  財団法人農村文化研究所 
                                  後援  米沢市・米沢市教育委員会・置賜民俗学会
                                       川西町文化財保護協会・JA山形おきたま

基調講演 「ヒトから人へ〜お行屋生活から学ぶもの〜」
佐野 賢治氏 (筑波大学助教授)
パネルディスカッション 「大人への旅立〜現代杜会における大人〜」
コーディネーター 湯川 洋司氏 (山口大学助教授)
 「一人前と現代杜会における大人との関係」
パネラー 鈴木 岩弓氏 (東北大学教授)
 「山岳信仰と通過儀礼」
武田  正氏 (山形大学女子短期大学教授)
 「子供と大人の境界」
星  寛治氏 (高畠町教育委員長)
 「青年の誕生」
角屋由美子氏 (米沢市立上杉博物館学芸員)
 「十三歳論」

急速に変貌する農村社会にあって、都市と農村の交流や農村文化への理解と振興を図る目的で開催してきたゼミナールも置賜各市町のご協力や多くの賛同者に支えられ、第12回を迎えようとしております。
昨年は「お行屋」が国指定重要民俗文化財となり、!0月には「置賜登拝習俗用具及び行屋」のテーマのもと、山形県立博物館主催移動公開講座が農村文化研究所で開催され、盛況裏に終了し、また国では南原関地区のお行屋が国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市)へ移築展示されております。さらに、2001年に開館される米沢市立博物館へ展示されることになっております。
ともすれば、一見華やかな上杉文化に埋没しそうな庶民の文化とその歴史を理解するための資料として大変重要であり、「行屋」は米沢・置賜が全国に誇り得る、国もその価値を認めた重要な建造物であります。いま改めて佐野賢治先生を中心に、農村文化研究所が昭和40年代より取り組んだ調査事業がその基本となっております。この間、資料の収集保存、調査事業にご協力を賜りました各位に、深甚の敬意と感謝を申しあげたいと存じます。
今、混沌たる時代の中にあって、素朴なくらしと信仰とがしっかり結び付いた「行屋」
は、私たちに安らぎと叡智を与えてくれるように思います。その根底に流れるものは自然と人問の共生であります。これこそが21世紀の私たちの指標であろうと思います。
今回のゼミナールは、「大人への旅立ち-一人前の民俗」をテーマに、お行屋生活の諸相と行屋の現代的意味を提唱する佐野先生の基調講演と、諸先生方による「現代杜会における大人」を民俗学的に考察するパネルデイスカッションを開催いたします。主催者関係者一同、多くの方々のご参会をお待ち申し上げております。

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