「暮らしの館」建設構想 ―キーワード、テーマ、そしてミッション

人間の生命のもとは「食」。 そして経済の基礎は、食の生産である「農業」です。
農業と それに携わる人々の暮らしは、人間の文化の基礎を築いてきました。

やがて 第二次・三次産業の発達とともに、
農業は産業として、また職業としても、軽視されるようになりました。
けれど、その食の安全さえもが問い直される 不安な時代となった今、
農業というルーツを あらためて訪うことは、
人々の疲れ・荒れた心を癒し、自信を回復する 確かな方法ではないでしょうか。

 キーワードは、 " 交流 " です 
時を超えた・・・・・・・・先人たちとの交流
空間を超えた・・・・・・農村と都市、 海外との交流
垣根を超えた・・・・・・農業研究と生産現場の交流

ここ 山形・置賜地域には 今も、
農民の暮らしの歴史を偲ばせる民具や風習が、数多く残されています。

なかでも、農村文化研究所の置賜民俗資料館に所蔵される1万点の資料は
民具や古文書の散逸を惜しんだ個人(研究所初代理事長、故・遠藤太郎)の収集によるものですが、
重要文化財指定品も含む、地域の宝となっています。
研究所ではまた、長年にわたり諸大学の民俗学研究調査や研修を受け入れ、
農村文化ゼミナールを開催するなど、その存在と活動は 高く評価されています。

けれども研究所の設立から半世紀、保存の力及ばず、資料の損傷も心配されます。
私たちは今、米沢市に この研究所の資料を寄贈し、地域の財産として処遇していただき、
それを核として同市が 新たな施設「暮らしの館」(仮称)を建設されることを、要望します。
故・遠藤太郎が地域に捧げた篤い想いを受け継いで、
置賜に、農に関わる新たな研究・交流と発展の基地が誕生することを 切望いたします。

 テーマは、 " 自信・共生・発展 " です
「先人の技と智慧=私たちのルーツ」を尋ね、心を深め、自信につなげる
「都会・消費者」と「農村・生産者」の、対等な交流と支えあいを進める
生産の「研究」と「現場」を繋ぎ、農業・農村の自立と発展に寄与する

置賜文化研究所には、二つの宝があります。
ひとつは言うまでもなく、
先人たちの技と知恵や祈りがこめられた 民具や建物。
もう一つは、人々です。
大学研究者・学生と地元六郷住民との交流は、ゼミナールの市町村巡回開催を経て、
いまや置賜全域の「文化を愛する人々のネットワーク」に広がっています。

建設なった「暮らしの館」には、これらの宝が備わります。
この貴重な 文化財・人的ネットワーク・交流スキルを十二分に活かして、
農業の分野から、この置賜から、
豊かな未来づくりへ
、チャレンジしてゆきましょう!

 ミッション(事業)は、次の3部門です
1.民俗学研究事業 ・・・豊富な民俗資料の研究・展示、講座の開催など
2.交流開発事業 ・・・農家民泊、農業体験、国際交流など
3.生産推進事業 ・・・最先端の研究を生産者が学べる講座の提供など

  詳しくは「暮らしの館」イメージ図を、ご覧下さい


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