ここ 山形・置賜地域には 今も、
農民の暮らしの歴史を偲ばせる民具や風習が、数多く残されています。
なかでも、農村文化研究所の置賜民俗資料館に所蔵される1万点の資料は
民具や古文書の散逸を惜しんだ個人(研究所初代理事長、故・遠藤太郎)の収集によるものですが、
重要文化財指定品も含む、地域の宝となっています。
研究所ではまた、長年にわたり諸大学の民俗学研究調査や研修を受け入れ、
農村文化ゼミナールを開催するなど、その存在と活動は 高く評価されています。
けれども研究所の設立から半世紀、保存の力及ばず、資料の損傷も心配されます。
私たちは今、米沢市に この研究所の資料を寄贈し、地域の財産として処遇していただき、
それを核として同市が 新たな施設「暮らしの館」(仮称)を建設されることを、要望します。
故・遠藤太郎が地域に捧げた篤い想いを受け継いで、
置賜に、農に関わる新たな研究・交流と発展の基地が誕生することを 切望いたします。 |
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