【毎日新聞】中国人留学生と10人が母国で研修ツアー 山形・米沢の農村文化研に同行

毎日新聞 山形版 2017年1月11日

山形県米沢市六郷町の公益財団法人「農村文化研究所」(遠藤宏三理事長)がこのほど、中国の2大学との交流を目的とする研修ツアーを実施した。民俗調査の共同研究をはじめ、交流を続けていくことで合意した。訪中したのは農文研で調査研究した神奈川大の中国人留学生を含む10人。昨年10月31日~11月7日に、北京、西安、南京、上海を回った。

11月2日、一行は中国人留学生が学んでいる北京師範大学文学院民間文学研究所で、民俗学を研究する学生12人と懇談した。遠藤理事長は「日本の農村は崩壊の一途をたどっている。中国ではどうですか」と質問。楊利慧教授は「中国の農村は今激しく変化している。北京などへの出稼ぎで人口流出と過疎化が進んでいる」と応じた。

河南省出身で修士課程の霍志剛さん(28)は「将来は大学で学生を教育して、消えゆく民間伝承の保存に努めたい」と発言。農村文化の継承のあり方について、農文研は小学校で田植え体験や収穫などを通じて農業行事を教えている経験を、中国側は在村の知識人が伝承に努めている現状を事例紹介した。

楊教授は民俗調査の共同研究を提案。農文研はまず、米沢市内の空き家をゲストハウスとして受け入れる意向を示した。

また、南京市でも東南大外国語学院日本語学科の学生12人と交流した。今回の訪中について、遠藤理事長は「民間交流の大切さを再認識した。今後も未来を担う日中の若者の交流を後押ししていきたい」と話した。【佐藤良一】

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2017.01.11