山形県南部の置賜地方は朝日、飯豊、吾妻、蔵王の山々に囲まれた盆地で、季節ごとの寒暑の差が大きく、しかも豪雪地帯。松川、鬼面川、白川などに潤される面積約2,500kuに約24万人が生活を営んでいます。
農山村では、夏と冬の生活に大きな違いがありました。夏季は農作業に勤しみ、冬季には雪に耐えながら、漬物などの保存食作りや藁(わら)仕事、竹や蔓を用いた細工物や工芸品作りに精を出しました。雪はこの地方の建築様式や道具類、あるいは雪遊びや祭りなど、生活文化全般に様々な影響を与えています。
収蔵されている民具には先人たちの生活の知恵や工夫が盛り込まれており、手で磨かれた木肌からは喜びや楽しみ、そして悲しみや苦しみなどの思いが立ち昇ってきます。
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