【米沢新聞】松坂世紀記念財団奨励受賞

置賜の7団体1個人に奨励証書

松坂世紀記念財団 広幡土人形の調査研究にも高い評価

置賜地域の教育関係者らで組織する「松坂世紀記念財団」(理事長・加藤秀明米沢信用金庫理事長)は17日、地域の文化や芸術活動の発展に役立ててほしいと、各地で伝承活動などに取り組む7団体1個人に合計56万円の奨励金を寄付した。この中には3年前から地域固有の土(つち)人形「小菅人形」と「成島人形」の保存活動に取り組む米沢市内の「広幡土人形調査研究会」(山田俊夫会長)が含まれ、これまでの調査・研究・伝承解明などの取り組みが高く評価された。

同財団は、世紀工業の元常務取締役・故松坂二郎の遺志を受け、昭和59年に創設。松坂氏の遺産を財源に、昭和60年から平成27年度まで、置賜3市5町の個人・団体204件に計約3千万円を贈ってきている。

今年は各市町の教育委員会から推薦を受け、3月の理事会で承認された7団体1個人にそれぞれ7万円の助成を決めている。

この日は、文化複合施設・ナセBAで関係者ら約25人が出席して奨励金授与式が行われ、加藤理事長は「地域活性化につながる活動を末永く展開していってほしい」とあいさつし、各団体の代表者ら一人ひとりに奨励証書と助成金を手渡した。

このうち、「広幡土人形調査研究会」は地域固有の土人形「小菅人形」と「成島人形」の保存活動に取り組む米沢市の地域団体。小菅人形は、大正時代に渡りの職人小山田亀蔵氏が作ったとされ、ほかには見られない独特の彩色を持つ。一方、成島人形は、明治時代に成島地区(旧広幡村)の井上家で製造していたとされ、細部にこだわらない大胆な仕様が特徴という。

民芸品のため明確な定義がない中、約3年かけて地区内53戸2166体の土人形のデータを収集し2種類の選別基準などを整備。今年3月にはナセBAで「ひろはたの土人形展」を初開催し、広くPRした。

代表で奨励証書などを受け取った阿部宇洋さんは「地域住民に土人形の魅力を知ってもらうために、さらに活動を発展させていきたい」と感謝していた。同研究会以外の受賞団体・個人は次の通り(敬称略)。

【団体】▽南陽市合唱協会(南陽)▽平山獅子踊り保存会(長井)▽飯豊町男性合唱団「プロージット」(飯豊)▽白山森史跡保存協賛会(白鷹)▽Book!Book!Okitama実行委(川西)▽まちなかギャラリー実行委(米沢)【個人】▽山中三平(米沢)

平成29年5月19日(金)米沢新聞より

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